受講日 2026年    月    日 貴社・所属部署   ご氏名  
指導の全体地図 「どれか1つの手法」ではなく、各理論を体系的に学んで使い分ける

世の中の指導本は「コーチング(質問)」「作業指導(ティーチング)」「心理的安全性」「報連相」と乱立し、現場は「どれが正しいのか」混乱しています。物理学で様々な現象をひとつの体系として統合して捉える考え方があるように、指導も「人の成長の全体地図」として体系的に学ぶことが解決の鍵です。

🌱 心理学 & 組織心理学(安心と環境):
存在承認と心理的安全性をつくり、新人が恐れず質問や報告ができる土台を築く。
⚙️ 現場作業伝承 & コーチング(型と自立):
未経験時はTWI-JIで型を手渡し、自立期にはコーチングの問いかけで主体性を引き出す。
★体系化の結論: コーチングとティーチングは対立していない。部下の成長段階に応じて適切に使い分ける【状況対応リーダーシップ(SL理論)】を身につけることで、すべての現場で迷わず人を育てられるようになる。
【第0層:基盤】人間関係と存在承認の心理学存在承認と沈黙の受容
  • 安全な真空をつくる:
    人間は「存在そのものを認められている」安心感がない限り、脳が防衛モードになり1文字も学習記憶できません。
  • 「話す:聴く=3:7」の沈黙:
    一方的な説教は右から左へ抜ける。部下が自ら話し始める「沈黙の5秒」を耐えることが真の傾聴です。
  • 弱みの自己開示:
    「実は俺も新人の頃、全く同じ失敗をしたよ」という脆弱性の開示が、絶対的な安心感を生みます。
【信頼の方程式 & 指導者リセット宣言】
信頼 = 接触頻度 × 接触品質
  • 毎日の10秒すれ違い声かけ:
    たまの月1回面談より、日々の挨拶と声かけの「接触頻度」が相談のハードルを激減させます。
  • 指導者の信頼リセット宣言:
    「今まで忙しさで感情的な言い方をしてすまなかった。今日から教え方を見直すから何でも聞いてほしい」と宣言し、過去を再起する。
📝 第1部 実践メモ & 自社コミュニケーションの現状(5mm方眼ノート) ※自社で起きている指導のズレや、相手の成長段階の気づきを自由にメモしてください
人を動かす土台 神田メソッド「5つの承認ピラミッド」── 最下層の岩盤を築け

「成果が出た時だけ褒める」のは条件付き承認であり、失敗した部下に強い恐怖を植え付けます。ピラミッドの最下層である「存在承認」を日頃から蓄積して初めて、上層の指導が通ります。

① 存在承認
(最下層・岩盤)
名前を呼ぶ挨拶・存在そのものの受容
② 意識承認
(想い・意欲)
「良くしたい」熱意・前向きな姿勢の肯定
③ 行動承認
(実践・挑戦)
失敗を恐れず一歩踏み出した事実の評価
④ プロセス承認
(準備・工夫)
見えない準備・試行錯誤・地道な努力
⑤ 結果承認
(頂点・成果)
目標達成・成果・合格への称賛
🛡️ 第3層【吸収】:若手・後輩のための「プロの護身術 & 積極学習法」
① 事実の分離ガード(感情と事実の切り離し)
  • 怒鳴り声の「感情」は捨てる:
    強い語気は相手の焦り・疲労のノイズ。「私自身が全否定された」と受け止めず、ノイズを遮断する。
  • 「事実データ」だけノートに書く:
    中にある「作業の改善ポイント(FACT)」だけを冷徹に抽出し、ノートに書き留める。
② 先輩の味方化戦略(30%クイック相談)
  • 100点を目指して抱え込まない:
    一人で何日も悩んでやり直しになる悲劇を防ぐ。
  • 着手30分の骨組みで見せる:
    「方向性が合っているか30秒だけ見ていただけますか?」と持参し、先輩を味方・共犯者に変える。
③ 1行身体感覚ノート(経験学習の実装)
  • 文字の丸写しを禁止する:
    マニュアルの文章だけでは現場で手は動かない。
  • 五感の手応えを1行でメモ:
    「カチッと音がするまで」「耳たぶの硬さ」「音が低くなったら完了」など自分の身体感覚を記録する。
④ 怒られない仮説質問 & ティーチバック
  • 「どうすれば?」は思考放棄:
    「私はAと考えますがよろしいですか?」と仮説を添えて質問し、先輩の考える負担を激減させる。
  • その場で実演して証明:
    「今教わった通りにやってみますので、合っているか見てください」とティーチバックする。
📝 第2部 実践メモ & 自分の「承認習慣」と「教わり方の工夫」(5mm方眼ノート) ※明日から実践する承認の言葉や、質問時の仮説の型をメモしてください
世界標準の作業指導 TWI-JI(仕事の教え方4段階)──「主な手順・成否の要点(コツ)・理由」の3列分解

トヨタ生産方式の基盤となったTWI-JI。「相手が覚えていないのは、自分が教えなかったからである」が絶対の黄金律です。作業を3要素に分解して手渡します。

① 主な手順(何をするか) ② 成否の要点(安全・品質を分けるコツ) ③ 理由(なぜそうするか)
例:ネジを締める 手首をクイッと90度返す、カチッと鳴るまで 締めすぎによるネジ山破損を防ぐため
⚙️ 指導者の暗黙知を形式知化する「4大伝承テクニック」
① 思考発話(ボソッと実況中継)
  • 手元を見せるだけでは伝わらない:
    ベテランは頭の中で危険を先回りして判断している。
  • 脳内思考を独り言のように喋る:
    「今カタカタと音がしたから刃先を寝かせたよ」「油漏れを防ぐために指の腹で触って隙間を確認しているよ」と実況中継する。
② 擬音語オノマトペ & 手応え比較
  • 「適度に締めろ」はパニックのもと:
    数値で測れない感覚は五感の比喩で伝える。
  • 身近な身体感覚に例える:
    「グッと押してカチッ」「硬さは耳たぶくらい」「スーッと滑らせる」と表現することで小脳に直接焼き付ける。
③ 10秒フォローデブリーフィング
  • 後からまとめて怒っても忘れる:
    人間の脳は直後のフィードバックでしか修正できない。
  • 作業直後10秒で「承認+1点修正」:
    「腰が据わってて良かった!次は引くスピードを少しゆっくりにしてみて。期待してるよ!」と即時還元する。
④ 「気をつけろ!」禁止 ➔ 肯定指示
  • 禁止語はミスの映像を焼き付ける:
    「こぼすな!」「滑るな!」は脳が否定形を処理できない。
  • 「やってほしい具体的動作」を言う:
    「両手で底を持とう」「足元を見て歩こう」「指差し確認を声に出そう」と肯定文で指示する。
📝 第3部 実践メモ & 自社作業の「手順・成否の要点(コツ)・理由」分解シート(5mm方眼ノート) ※自社の重要作業を1つ選び、その「要点・コツ」と「理由」を言語化してメモしてください
統合マネジメント 状況対応リーダーシップ(SL理論)── 部下の段階で切り替える4大モード
S1:指示型(未経験・意欲高)
【柴犬モード】手取り足取り教える(TWI-JI)。質問せず型を真似させる。
S2:説得型(壁・意欲低下)
【伴走モード】二人三脚で背景・意味を語る。10秒フォローで不安を解消。
S3:参加型(能力有・自信低)
【チワワモード】コーチング発動。「君ならどうする?」と意見を問い傾聴。
S4:委任型(自立・一人前)
【見守りモード】権限を委譲しゴールのみ共有。週1回5分の定期定点観測。
🏢 多業種6大業界の実践ポイント翻訳対照表 ── どの現場でも使える普遍の型
業種 陥りがちな曖昧指示 体系的アプローチによる実践ポイント翻訳 若手のプロ護身術
製造・工場 「しっかり締めろ」 「手首をクイッと90度、カチッと鳴るまで」 1行身体感覚ノート(トルク感・異音)
医療・福祉 「事故のないよう注意して」 「指差し呼称で声に出し、名札と照合」 安全確認は義務(遠慮なくダブルチェック)
IT・Web 「仕様書通りに組んで」 「例外処理の条件分岐と意図をコメントに」 30%クイック相談(骨組みのPR提出)
飲食・サービス 「良い頃合いで火を止めて」 「気泡が小さくなり、香ばしい匂いが立ち上ったら」 ティーチバック実演(目の前で味見・確認)
🎯 研修の総括:明日からの「Myアクション宣言」
【指導者として明日からやめること・始めること】:
例:感情的叱責をやめ、TWI-JIの要点・コツと理由で教える/毎朝名前を呼んで挨拶する
【学び手・チームとして明日から実践すること】:
例:感情を捨て事実だけメモする/30%の段階で仮説を持って相談する
📝 第4部 実践メモ & 組織を動かす共通言語(5mm方眼ノート) ※自社で「教わり、教える文化」を定着させるためのアイデアをメモしてください