ゆめんちゅ通信 2026年10月号【人事・経営版】A4受講者・実務配布テキスト(全4頁)
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厚生労働省告示第51号指針が定める「カスハラ判定の3要素」

顧客・取引先・施設利用者等からの言動であって、以下の①〜③のすべてを満たすものが法律上のカスハラに該当します。

① 顧客等の言動
顧客、取引先、施設利用者、就職応募者等による優越的関係を背景とした言動。
② 社会通念の逸脱
要求内容の妥当性を欠くもの、または要求実現のための手段・態様が社会通念上不相当なもの。
③ 就業環境の害
労働者が身体的・精神的苦痛を与えられ、能力発揮に重大な悪影響が生じること。
事業主が必ず講じなければならない「5つの義務措置」
措置①
事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
カスハラを許さない毅然とした企業姿勢を明文化し、トップメッセージや就業規則、社内ポスター等で全従業員および顧客・取引先へ周知する。
措置②
相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
相談窓口(社内・社外)をあらかじめ定め、現場担当者が孤立せず早期に通報・相談できる体制と、複数名対応の初動ルールを整備する。
措置③
カスハラに係る事後の迅速かつ適切な対応
事案発生時は速やかに正確な事実関係を確認し、被害労働者への配慮措置(メンタル回復・業務配置転換)と再発防止策を迅速に講じる。
措置④
悪質な言動に対する毅然とした対応と警察・弁護士連携体制の確保
暴力・脅迫・執拗な拘束等に対しては、組織として対応を打ち切る基準を定め、警察通報や顧問弁護士との即時連携ルートを確立する。
措置⑤
プライバシー保護と不利益取扱いの禁止
相談者・行為者のプライバシーを厳格に保護し、カスハラ被害を相談・報告したことを理由とする降格・減給・配置転換等の不利益取り扱いを禁止する。
カスハラ対策を「現場任せ」にした場合の3大経営リスク
① 安全配慮義務違反

放置による適応障害・うつ病発症時は労災認定および企業への高額な損害賠償リスクが発生。

② 優秀層の離職連鎖

「会社は守ってくれない」という不信感が蔓延し、現場の中核社員や新卒・若手から離職。

③ 企業信用の失墜

SNSへの炎上や就職クチコミサイトへの告発により、採用活動・企業イメージに致命的打撃。

💡 産業カウンセラー 神田 充人の視点: 「『お客様は神様』の時代は終わりました。理不尽な暴言に現場スタッフを丸腰で立たせることは、経営陣が防衛義務を放棄しているのと同じです。組織が盾となり、毅然としたルールで現場を守ることこそが、従業員のエンゲージメントと企業の持続的成長の基盤です。」
STEP 1 初期対応:個人の謝罪から「組織対応」へ

正当なクレームと悪質なカスハラを初期で見極めます。要求の妥当性ではなく「言動の態様」に着目。恫喝・暴言が出た時点で、個人対応を終了し組織対応へスイッチします。

現場の鉄則セリフ:
「ご不快な思いをおかけした点は承知いたしました。ただし、私ども現場個人の判断での対応は社内規程により固く禁じられております。上席に確認の上、折り返しご連絡いたします。」
STEP 2 エスカレーション:複数対応と隔離

担当者を絶対に1人で対応させない「2名以上体制」を即時発動。密室での対応は避け、防犯カメラや録音設備のある応接室へ案内。上席者・管理職が前面に出て引き継ぎます。

管理職の交代セリフ:
「ここからは責任者の◯◯が対応いたします。担当者への個人攻撃はお控えください。当社の基本方針に則り、事実確認を行った上で正式に回答いたします。」
STEP 3 客観的記録(FACTログ)と証拠保全

感情論ではなく「客観的事実(FACT)」を時系列で克明にログ化。通話録音、防犯カメラ映像、相手の発言を一言一句そのまま記録(主観的な感想や推測は排除)。

記録必須項目(5W1H):
①発生日時・場所 ②相手の氏名・連絡先 ③対応者・同席者 ④発言内容(暴言・脅迫語句を完全再現) ⑤相手の要求内容 ⑥提示した対応
STEP 4 事後ケアと組織的改善(二次被害防止)

対応後の現場スタッフに対する「10秒フォロー」とメンタルケア。周囲から「お前の対応が悪かったのでは」と責める二次被害を完全根絶し、心理的負担を早期に緩和。

管理者の声かけ例:
「毅然とルール通りに対応してくれてありがとう。あなたの判断は間違っていないよ。辛かったらいつでも産業医やカウンセラーに繋ぐからね。」
現場で使える!心理学DESC法に基づく「毅然とした対応打ち切りプロトコル」
D (Describe 事実描写):
「先ほどから机を叩く、大声で怒鳴る行為が◯分間続いております。」
E (Express 組織方針):
「当社では、従業員の人格を否定する言動に対しては対応できない方針となっております。」
S (Specify 選択肢提示):
「声を落として落ち着いてお話しいただけるのであれば、ご要望を詳しく承ります。」
C (Choose 結末宣告):
「もし怒鳴り続ける行為をお止めいただけない場合は、誠に遺憾ですがこれ以上の対応を打ち切らせていただきます。」
「正当なクレーム」と「悪質カスハラ」の境界線
着眼ポイント 正当なクレーム(業務改善の機会) カスハラ(組織対応・打ち切り対象)
要求の目的 契約内容の履行、ミスに対する是正・改善の要求 金品要求、土下座・過剰なペナルティ、憂さ晴らし
言動・態度 熱心・厳しい口調であっても、事実に基づいている 人格否定・脅迫・長時間の居座り・プライベート詮索
着地点 合理的な説明・是正措置・代替案で納得する 何を説明しても「誠意を見せろ」と堂々巡りを繰り返す
済 対象領域 チェック項目(厚生労働省告示第51号指針 必須措置) 現状メモ・担当部署
措置① 方針策定 カスハラを許さない毅然とした基本方針・トップメッセージを社内外に宣言・明文化している。
措置① 就業規則 就業規則や服務規程に、カスハラに対する対応基準・懲戒・従業員保護規定が盛り込まれている。
措置② マニュアル 正当クレームとカスハラの境界線を示した具体的な現場対応マニュアルを策定・配布している。
措置② 相談窓口 被害を受けた従業員がいつでも相談できる相談窓口(社内または社外)を設置・全社周知している。
措置② 初動ルール 暴言・恫喝等が発生した際、現場担当者を孤立させず「2名以上で対応する」ルールが徹底されている。
措置③ 事実確認 被害発生時に時系列で言動を克明に記録する客観的指導ログ(FACTログ)の様式が整備されている。
措置④ 打ち切り基準 不当要求が継続する場合に、組織として「対応を打ち切る」「警察へ通報する」明確な基準がある。
措置④ 外部連携 悪質な威力業務妨害や脅迫に対して、所轄警察署や顧問弁護士と即座に連携できる体制がある。
措置⑤ 不利益禁止 相談を行った労働者に対し、解雇・降格・不当な配置転換を行わない規定を整備し周知している。
全社教育 管理職および一般現場スタッフ向けに、カスハラ対応の実践研修を年1回以上定期開催している。
自己チェック判定基準 & アクション指針
✅ 8〜10項目 適合(安心領域)

法的要件は概ね充足。定期的な実践研修で現場の対応力を維持・アップデートしましょう。

⚠️ 5〜7項目 適合(要改善領域)

基本方針はあるものの現場運用が未定着。相談窓口の周知と対応マニュアルの即時整備が必要です。

🚨 0〜4項目 適合(危険領域・至急)

法定義務違反および安全配慮義務違反の重大リスク。今月中に外部専門家を入れて体制構築に着手を。

自社で最優先で着手すべき項目・検討事項メモ
メンタルヘルスサポート 夢人(ゆめんちゅ)の企業防衛 3大支援メニュー
① 体制構築・規定策定
カスハラ防止基本方針・現場用対応マニュアル・FACTログ様式の策定支援。企業の業種・業態に合わせた最適なプロトコルを整備します。
② 現場・管理職 実践研修
「毅然としたDESC法」「2人対応ロールプレイ」「感情コントロール」など、現場スタッフが明日から自信を持って使える実践型研修を実施。
③ 外部相談・復帰支援
社外相談窓口の受託、被害に遭った職員の心理カウンセリング、休職防止および職場復帰支援を産業カウンセラーが伴走します。
神田 充人 代表
神田 充人 (かんだ みつと)
産業カウンセラー | 中部大学 心理学科 非常勤講師 | メンタルヘルスサポート 夢人 代表
産業カウンセラー実務歴20年以上、面談実績3,000名超。大手インフラ企業、行政機関、製造業、医療福祉施設等でのハラスメント研修・メンタルヘルス支援実績多数。現場のリアルな葛藤に寄り添い、法改正に対応した実践的組織防衛を伴走支援。
※就業規則の作成・労使協定等の法的届出業務は提携社会保険労務士・弁護士と連携してサポートいたします。
📞 初回無料・実務相談受付中
「自社の体制が法改正に適合しているか確認したい」「研修を相談したい」企業様へ
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✉️ 代表メール:yumenchujp@gmail.com | 所在地:〒464-0850 名古屋市千種区今池南
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